テーマが重い一冊
ども、何を打っても勝てない ぐぴおです。
今回読んだのは、貫井徳郎の「殺人症候群」。
文庫本サイズで700ページを超えており、且つ字がかなり小さい(18行/ページ)のでるので相当読み応えがある文量となっている。
そして読み終えた感想は、進まない。
何故だかよく分からないんだが、とにかく進まない。
行き帰りの電車の中と帰りのバスの中で読むことが多い。そして、5日間くらいで文庫本1冊を読み終えるくらいのペースなので元々早くもないんだが、この「殺人症候群」は3週間位かかった。
本を手に取る気になれないというか、数ページ読むと今日はもういいやと思ってしまう。なんでなんだろう?と考えてみた。
まず、テーマが重い
この本では殺人を実行する者が複数人出てくるのだが、基本的には過去に自分の身近な者が殺されている。そして犯人が未成年だった、あるいは重い精神疾患だったため重い刑罰を受けることなく社会に復帰いる。被害者遺族の苦しみよりも加害者を保護する法律より行き場の無い怒り、絶望を胸にかかえている。
そして、自分と同じ苦しみで悩んでいる人たちを殺人代行を行い救おうとしている。
殺人をすることは決して許されることでは無いが、そうしなければ生きていけなかったのだろうと想像することはできる
登場人物が多くて色々な話がそれなりのボリュームで押し寄せてくる
まあ、色々な登場人物の背景などを深堀しているので仕方がないんだけど、とにかく文量が多くてお腹いっぱいになってくる
また、時間軸がたまに過去の話が間に入ったりするため話が若干複雑なのもの読み疲れる原因なのかな
複数の犯人が存在しているが、それらの事件を追う刑事が居て捜査をする中で全く無関係だった事件が偶然にも関わりを持ってくる
終盤にむけてのその盛り上がりは確かに面白いのだが、結論がこれまた無情である。
殺人を犯したものには幸福は訪れない
それがたとえ殺人の被害を受けたことが原因だったとしても
殺人は不幸な連鎖を生むだけだということなのだろうか