クローズド・サークルのなせる業なのか?
ども、ぐぴおです。
今回は先日買った「魔眼の匣の殺人」の紹介である。
著者は、今村昌弘さん。
「魔眼の匣の殺人」は、「屍人荘の殺人」の続編となる葉村譲シリーズ(?)の第二弾にあたる作品。前作は、パンデミックと殺人事件が絶妙に関わり次から次へと話が展開していき飽きがこない面白い作品だった。その続編ということで、迷わず手に取り購入したわけである。
今村さんの文章は読みやすいし、とても親切である。例えば、登場人物が出そろった所で、全員の名前と覚え方を改めて教えてくれるので、登場人物がごちゃごちゃにならずに済む。重要な文章の箇所には傍点をつけてあるので、目に留まる。そして難しい言葉をあえて使うようなことはなく、シンプルに書かれているのすっと頭に入ってくる。
文章慣れしていないオレにも挫折せず読めるわけだ。
今回のテーマは超能力と殺人。
村人から「魔眼の匣」と呼ばれる奇妙な建物に住む、サキミと呼ばれる預言者が「あと2日で4人死ぬ」と予言したことから事件は始まる。
たまたま居合わせた人々が退路を断たれ、ある山中に閉じ込められた状態となる。(いわゆるクローズド・サークル)そこからほんの少し歯車が狂ったことで殺人事件が発生する。犯人は何故殺人を犯してしまったのか?細かい心理描写によりその詳細が明かされる様は、一見の価値がある。
そして、最後に衝撃の真実が明かされる…
最後の展開は全く予想していなかったのかなりのインパクトがある。そして、本当にそんなことが人間にできるのか?とも思えるが、クローズド・サークルの極限状態がなせる業なのかもしれない。
主人公は、葉村謙なのだがどちらかというと剣崎比留子が気になるのは皆も同じだろう。そして、この二人の微妙な距離感が読者をモヤモヤさせるのではないだろうか
最後に、
「屍人荘の殺人」が映画化されることが決定したが、葉村を演じるのが神木隆之介、明智を演じるのが中村倫也。どちらも大学生って設定なのに歳いきすじゃね?
そりゃ演技力のある俳優を使いたいのはわかるけど、若手でもっとええ人いたんでないかな…ま、見るけどね